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旅の英語

旅の英語

英語は外国語だから、当然日本語のように流暢に話せない。旅に英語のトラブルはつき物である。

テキサスからルイジアナへ車で移動していた時のことだ。仕事の都合でスーツを着て、日差しが強いのでサングラスをかけていた。今思えば、南部では普通のいでたちではなかったようにも思う。多少、ブルースブラザーズ風だったかもしれない。殺風景な国道を走っていて、街道沿いに、いかにもローカルな休憩レストランを見つけた。看板に「Hot Biscuit」と書いてある。ビスケットといえば薄っぺらい小麦粉煎餅であり、お菓子だから、煮たり焼いたりするわけも無く、熱いも冷たいもないはずだ。昼食をここで取ることにして店に入り、興味津々でサラダ、スープと「Hot Biscuit」を注文した。

出てきたのは分厚い固めのカステラのようなパンだった。ケンタッキーフライドチキンが日本に上陸して、こういったビスケットも知られるようになったが、当時僕はそんなものを食べたことがなかった。怪訝に思い、ウエイトレスに「Is this called biscuit?」と尋ねてみた。注文間違いということもあり得た。目はにこやかだったはずだが、サングラスで表情はわからなかったかもしれない。

ウエイトレスは何か急に固まって、マネージャーを呼びに行ってしまった。やがて店の主が現れ、「手前共に何かそそうがありましたでしょうか」などと言い出した。「I just said, "Is this called biscuit?"」と言ったのだが、「お気に召さないということでしたら出しなおします」だとか、わけの解らないことになってしまった。

何度かやりとりをしてやっとわかった。相手は僕の言った事を「Is'n this cold buiscuit?」と聞き取ったのだ。ヤクザっぽい変ないでたちのサングラスの男が、熱々のはずのビスケットに対して、冷えてると、いちゃもんを付けて来たという場面になってしまったのだ。僕は大笑いしてしまったが向こうは大笑いの理由もわからなかった。日本のビスケットはクッキーであり、テキサスではビスケットと言えばこういったKFCのビスケットみたいなものが当たり前なのである。

アメリカは広いので南部と北部で随分と生活習慣が違う。南部では特有の訛りもある。あるとき宅配便を持って来た人に「ガタピン」と言われてまったくわからなかった事を覚えている。何度聞き直しても「ガタピン」なのだ。やっと話が通じて彼は「Got a pen? (書くもの持ってる?)」と聞いたのだ。eが完全に訛ってiになってしまっていたわけである。これだけで、こちらとしては全く聞き取れなくなる。

訛りがあったり、予期せぬ答え方であったりするから、特に旅をしていろと言葉がトラブルになる事が多い。道を聞いても返事がよく理解できない事はままあるだろう。聞き返すのにも限度があり、わからないままで終ることも多い。なかなか解るまで聞き返すなどということは出来ないものだ。

配偶者と2人旅の経験を積むうちに、2人組みで旅行している場合には良い方法があることがわかった。二手に分かれて聞くと言う方法だ。まず相棒が聞きに行き、半分解って帰って来る。その報告を聞いてから、そ知らぬ顔でまたこちらが聞きに行くのである。あらかじめ大体の様子がわかっていると随分と理解しやすい。この方法はかなりの成功を収めた。

言葉の苦労、これもまた旅の楽しみではある。確かに後で思い返して楽しい事の一つだ。
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