スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

下妻紀行

「下妻物語」と言うくだらない映画があったが、田舎町を題材にした映画として話題になった。これといって産業もなく、自治体の汚職事件を繰り返しながら、沈滞していく地方の町の典型である。町外れに砂沼サンビーチというプールとビアスパーク下妻という温泉施設がある。おそらく土建屋の画策した税金山分け行政の結果生まれたものだろう。今回はこのビアスパークに出かけた。

もちろん、平地に温泉の湧き出しがあるわけでなく、この地方によくある汲み上げ循環式温泉施設の一つだが、付属施設は他より整っている。ホテルや研修施設、野菜直売場、体験農園などが回りに広がり散策トレイルもある。レンタサイクルで廻ることも出来るが、まあ、ほとんど利用されていない。観光客の訪れは少なく、もっぱら地元の人々のためのスーパー銭湯と化している。

それはそれで、味があり、大広間休憩室にも湯船にも「だっぺ言葉」が飛交い、部外者にはまるで外国に来ているかのような、意味不明の言語空間が楽しめる。野菜直売は確かに安く、品揃えも悪くない。周辺農民はこんなところでも真面目な努力を積み上げていることがわかる。

入浴料は700円。スーパー銭湯より若干高いが、土日でも同じ値段だから、土日にはむしろ安いとも言える。湯質は単純泉の再加熱だから決して良いものではないが、それでも温泉であることに間違いはない。サウナとか野天風呂とか一応の温泉らしいものがそろっているだけでなく、ここでは「薬湯」をやっており、効能から言えば並みの温泉よりは確実なものがある。

入浴後には休憩室でも付属のレストランでも食事ができる。地ビールが飲めるのが最大の特徴となっているが、実はここでの食事はお勧めの味ではない。外に出れば素晴らしいレストランが近いのだ。にも関わらず、温泉客のほとんどが場内で食事を取るか、外食せずに家に帰る。このあたりが下妻の下妻たる所以だろう。

温泉施設に一番近いレストランは「PePe Rosso」。イタリアンレストランで外観も悪くない。中に入ると受付カウンターがあり、ワイン棚の並ぶ廊下を通って客室に通される本格的なレストランのしつらえだ。調度も、内装もかなり重厚で、広く落ち着いた雰囲気になっている。これは下妻センスでは全くあり得ない。温泉客が流れてこないはずだ。

店の雰囲気とは裏腹にパスタランチは1380円とお手ごろになっている。この値段を聞けば、だいたいスパゲッティにキャベツの小皿とコーヒーがついたものだと思ってしまうだろう。ところがどっこい、ここはまったく違う。最初にハーブ仕立てのサラダの皿が出てきたときに「おやっ?」と思うだろう。次にくるみパンが出てきてオリーブオイルで食す。そのあと前菜が出てくるのだ。この日は鯛のカルパッチョだった。うーん、これは只者ではない。海老を基調としたパスタは.......うまい!。さらにドルチェがとどめだ。自家製のドルチェが6種類も出てくる。本格的だ。最後のコーヒーも決して悪いものではない。

これで値段が1380円とは、あり得ないような話だが、事実だ。ここの他にもこの周辺にはいいレストランがいくつかありレバルは高い。にも関わらす、地元温泉組は温泉施設での天丼やトン汁を好み、決してこういったレストランには行かない。この店もせいぜいデートカップルで多少にぎわいを見せるくらいで、順番待ちの行列が出来たりはしないのである。

温泉につかり茨詭弁を聞き、そしてPepeRossoかWoodFarmでランチにする。それが対比を楽しむ下妻の旅を作りあげる秘訣だ。この対比から地方を支配する文化ということについての思索を巡らしてみるのも楽しい。
スポンサーサイト

テーマ : 湯巡り♪ - ジャンル : 旅行

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。